MetaTrader 5向けの単一銘柄EA、CVR-CA Single Pair EAを、現行のv1.0.6仕様に合わせて説明します。

この記事は、販売開始時の告知をv32の理論整理に合わせて更新したものです。販売ページの価格、対応環境、更新履歴、フォワード表示は変わり得るため、購入前には必ず販売ページと同梱マニュアルを確認してください。

先に大事なことを書きます。

CVR-CAは利益や元本を保証するEAではありません。固定SLはなく、長期保有、含み損、資金拘束が発生する可能性があります。Strategy Tester、デモ口座、少額運用の順で、ご自身の銘柄・時間足・ブローカー条件に合うかを確認してください。

CVR-CAは何をするEAか

CVR-CAは、単一銘柄・片方向のDCA回転構造に、取引コストに対して値動き幅が足りるかを確認するentry gateを組み合わせたEAです。

中心となる比率は次です。

CVR_ratio = Cost / sigma

Costは、往復手数料、スプレッド、想定スリッページなどを、同じ価格単位へそろえた取引コストです。sigmaはATRなどを使う価格変動幅の推定値です。

値動き幅に比べてコストが重い局面で回転売買を始めても、利益の余地は薄くなります。CVR-CAは、まずこの摩擦を確認します。

v32のentry gate

CVR-CA v32では、旧来のL_structuralを新規entryの閾値には使いません。canonicalの入口条件は、次の二つです。

CVR_COST_CAP = 1.0

Cost / sigma < CVR_COST_CAP
alpha_u * sigma > Cost

前者は、コストが推定変動幅を上回らないことを確認するcost gateです。後者は、固定TPの予定幅そのものが推定往復コストより小さくないことを確かめる、entry時点のfeasibility proxyです。

さらに実装では、Q-gate、市場流動性、資金・最小注文額、state整合などが揃って初めてentryします。

entry_allowed =
  cost_admissible
  and fixed_tp_feasible_proxy
  and Q_gate_allows_entry
  and capital_admission_ok
  and state_ok
  and liquidity_ok

これは「底を当てる」「押し目だけを狙う」判定ではありません。その時点のコストと変動幅の組み合わせが、回転売買を始める条件として成立しているかを見るgateです。

entryとDCA/TPは別の層

CVR-CAを理解するときは、入口と、entry後の実行を分けることが大切です。

entry:
  Cost/sigma gateと周辺安全条件

post-entry execution:
  DCA_threshold = avg_price - alpha_d * sigma
  TP_plan       = avg_price + alpha_u * sigma

entry後は、平均取得価格から次のDCAと固定TPを再計算します。DCAは新規entryの条件ではなく、保有サイクル内で平均取得価格を更新するexecution layerです。

TP_planに手数料やスリッページを二重に加算する設計ではありません。実際に決済するかは、現在の執行可能価格とコストを使う別のexit feasibility確認で判断します。

L_structuralは診断値

v32では、次の値をDCA/固定TP構造を読むための診断として残しています。

K_nominal    = alpha_d * N
R            = alpha_u / alpha_d
L_structural = alpha_u / (alpha_d * N) = R / N

これらはprofileの比較や実行構造の説明には役立ちます。ただし、L_structuralが小さいからentryを厳しくする、あるいは大きいからentryを緩める、という使い方はv32のcanonicalではしません。

Nは単なる買い増し回数ではなく、DCA層数と波に対する分割解像度の一部です。実際のDCA到達距離は、平均取得価格から次のDCAを置き直すため、単純なalpha_d * N * sigmaだけでは表せません。

MCUTは既定で観測のみ

MCUTは、回転構造が長く不利な状態にある可能性を観測するための仕組みです。v1.0.6の既定ではobserve-onlyであり、MCUTシグナルを理由に自動で全決済する設定ではありません。

そのため、MCUTを通常の固定ストップロスと考えてはいけません。固定SLもありません。利用者側で、許容DD、証拠金余力、停止条件、裁量介入の条件を事前に決めておく必要があります。

v1.0.6で確認したい点

v1.0.6では、ヘッジング口座でTPまたはMCUTによる全決済を行う際、対象シンボルとMagic Numberに一致する全ポジションを走査し、残存を確認する安全性修正が含まれています。netting口座でも対象シンボルとMagic Numberの一致を確認します。

この更新は、entry式を攻撃的に変えるものではありません。v32のcost gate、固定TP、Q-gate、既定MCUT観測、固定SLなしという基本方針を維持した、安全な決済確認の更新です。

向いている人

  • まず単一銘柄・単一チャートから検証したい人
  • Strategy Testerとデモ口座で、対象銘柄とブローカー条件を確認できる人
  • WAIT / BLOCK / REJECTなど、取引しない理由も確認したい人
  • ロット、証拠金、DCA層、最大DD、保有時間を自分で管理できる人

向いていない人

  • 短期間の利益や元本の保証を期待する人
  • 設定を確認せず、高ロットで運用したい人
  • 固定SLがある前提で損失管理をEAへ丸投げしたい人
  • バックテストやデモ確認をせず、すぐ実運用へ進みたい人

使い始める前の確認リスト

  1. 販売ページ、更新履歴、同梱マニュアルを読む。
  2. 対象ブローカーの最小ロット、証拠金、スプレッド、取引時間、シンボル仕様を確認する。
  3. Strategy Testerで複数期間を試し、最大DD、最大保有数、保有時間を確認する。
  4. デモ口座で、WAIT / BLOCK / REJECT / ENTRY / DCA / TP / MCUTの表示とログを確認する。
  5. 少額で始め、理解できない挙動があればロットを上げずに原因を確認する。

まとめ

CVR-CA Single Pair EAは、コストと変動幅の関係を確認してから、平均取得価格基準のDCAと固定TPを実行する単一銘柄EAです。

v32で大事なのは、Cost / sigma < CVR_COST_CAPと固定TP feasibilityをentry gateとして扱い、DCA/TPをpost-entry executionとして分けることです。L_structuralやDynamic Lは診断値であり、entryを直接操作する値ではありません。

利益を約束するものではありません。販売ページの数字だけで判断せず、対象銘柄・時間足・ブローカー条件でテストし、許容できるDDと資金拘束の範囲で使ってください。


※この記事は、開発者による一般的な仕様説明です。投資助言ではありません。FX・CFD等の取引には元本を割り込むリスクがあり、相場急変、スプレッド拡大、スリッページ、ブローカー仕様差、設定ミス、証拠金不足等により損失が発生する可能性があります。最終的な購入判断・運用判断・取引判断は、ご自身の責任で行ってください。