スマホの契約ではMbps、ダウンロード画面ではMB/s、ファイルの大きさではMBやGBを見かけます。似た記号ですが、「データの量」と「1秒あたりの速さ」、そして大文字・小文字が違います。
3行結論
bit(b) = 0か1かを表す、情報の小さな単位
byte(B) = 通常は8 bitをひとまとまりにした単位
bps / B/s = 1秒あたりに運べるbit / byteの量(速度)
bは小文字でbit、Bは大文字でbyteです。1 B = 8 bなので、理想的には8 Mbps = 1 MB/sになります。単位をほかにも確認したいときは、物理の単位・記号ミニ用語集へ戻れます。
身近なたとえ:8個のスイッチを1箱にする
bitは、オン・オフだけを持つ小さなスイッチ1個のようなものです。0か1のどちらかを表せます。
byteは、そのスイッチを通常8個まとめた1箱です。文字や色、ファイルの中身は、たくさんのbyteを並べて表します。
- bit(b):小さなスイッチ1個ぶん
- byte(B):スイッチ8個をまとめた1箱ぶん
- bps:1秒に何個のスイッチ情報を運べるか
- B/s:1秒に何箱を運べるか
子どもは「小箱が8個で1箱」と覚えれば十分です。大人の学び直しでは、回線のMbpsをダウンロード表示のMB/sへ直すときに、この8を使います。
bit・byte・bps・B/sの早見表
| 表し方 | 読み方 | 何を表す? | よく見る場面 |
|---|---|---|---|
| bit / b | ビット | 0か1の情報量 | 通信速度、暗号、データの細かい単位 |
| byte / B | バイト | 通常8 bitの情報量 | ファイル容量、保存容量 |
| bps / bit/s | ビット毎秒 | 1秒あたりのbit数 | 回線契約、通信規格 |
| B/s | バイト毎秒 | 1秒あたりのbyte数 | ダウンロード、コピーの進み具合 |
bpsのpsはper second(毎秒)です。MBは量ですが、MB/sは速さです。この「量か、1秒あたりか」を先に分けると、表示を読み違えにくくなります。
最小限の式
まず基本はこれだけです。
1 B = 8 b
そのため、bit毎秒からbyte毎秒へ直す式は次のとおりです。
B/s = bps ÷ 8
bps = B/s × 8
接頭語も確認します。通信では、k、M、Gは通常10進の倍率です。
1 kbit = 1,000 bit
1 Mbit = 1,000,000 bit
1 Gbit = 1,000,000,000 bit
一方、2進数に基づく倍率を明確に書くときはKi、Mi、Giを使います。
1 KiB = 1,024 B
1 MiB = 1,048,576 B
MBとMiBは同じではありません。容量表示がどちらを使うかは、製品やソフトの表記を確認します。
換算例
例1:80 Mbpsは何MB/s?
80 Mbps ÷ 8 = 10 MB/s
理想的には、80 Mbpsの通信は毎秒10 MBぶんです。実際には通信の手順、混雑、Wi-Fiの状態などのため、表示はこれより低くなることがあります。
例2:500 MBのファイルを10 MB/sで受け取ると何秒?
500 MB ÷ 10 MB/s = 50 s
理想的には50秒です。ここでは量のMBを、速さのMB/sで割るので、残る単位は秒です。
例3:1 Gbpsは何MB/s?
1 Gbps = 1,000 Mbps
1,000 Mbps ÷ 8 = 125 MB/s
1 Gbpsの回線でも、端末・ルーター・サーバー側などの条件がそろわなければ125 MB/sには届きません。契約の最大速度と、実際のダウンロード速度は分けて考えます。
誤解しやすい点
MbとMBを同じにしない
Mbはmegabit、MBはmegabyteです。大文字のBか小文字のbかで8倍違います。通信会社のMbpsを、ファイル転送ソフトのMB/sと同じ数字で比べないようにします。
速度の「最大」と実測は別
回線プランの100 Mbpsは、通常は最大通信速度の表示です。Wi-Fiの電波、混雑、接続先のサーバー、機器の性能などで実際の値は変わります。換算式は単位をそろえる道具であり、実測値を保証する式ではありません。
MBとMiBを勝手に入れ替えない
10進のMBは1,000,000 byte、2進のMiBは1,048,576 byteです。差は小さく見えても、容量が大きいほど無視しにくくなります。数字だけでなく、接頭語まで読みます。
byteは文字数と同じではない
文字は符号化方式でbyte数が変わります。たとえばUTF-8では、日本語の1文字が1 byteとは限りません。「1文字=1 byte」と決め打ちしないことが安全です。
FAQ
Q1. 100 Mbpsは何MB/sですか?
理想的には100 ÷ 8 = 12.5 MB/sです。実際のダウンロード速度は、回線や接続先の条件で変わります。
Q2. 10 MB/sは何Mbpsですか?
10 × 8 = 80 Mbpsです。byte毎秒をbit毎秒へ直すときは8倍します。
Q3. 1 GBのファイルは、100 Mbpsで何秒ですか?
10進表記として1 GB = 1,000 MB、理想速度を12.5 MB/sとすると、1,000 ÷ 12.5 = 80 sです。実際には余裕を見ます。
Q4. kbpsのkは小文字なのに、MbpsのMは大文字なのはなぜですか?
SI接頭語では、kiloはk、megaはM、gigaはGです。さらにbitのbとbyteのBも区別します。小文字・大文字には意味があります。
Q5. 最初にどれを覚えればよいですか?
1 B = 8 b、bはbit、Bはbyte、/sは毎秒の3つです。通信速度の表示を見たら、まず大文字・小文字を確認します。
公的資料で確認したこと
- NIST:Definitions of the SI units — The binary prefixes:
1 B = 8 bit、10進接頭語と2進接頭語(Ki、Mi、Gi)の区別 - NIST:Byte glossary:byteを8 bitsの列として扱う定義例
- NIST IR 8101:データ帯域の
b/s、Mbps、Gbpsという表記例 - BIPM:SI Brochure:SI接頭語の基準資料
迷ったら、まずbかBか、次に「量」か「毎秒の速さ」かを見ます。それだけで、通信速度とダウンロード時間の多くの取り違えを防げます。
感想