家電にはW、電池にはWh、物理ではJ。どれもエネルギーの話に見えるので、混ざりやすい単位です。

この記事は、子どもの学習と大人の学び直しの両方向けです。式がまだ難しい場合は、まず次の三行だけ覚えれば大丈夫です。記号をまとめて確認したいときは物理の単位・記号ミニ用語集も使えます。

先に一行で整理すると、次の関係です。

W  = エネルギーを使う速さ
J  = エネルギーそのものの量
Wh = Wを一定時間使ったときのエネルギー量

水道にたとえると、Wは水が流れる勢い、JやWhはたまった水の量に近いイメージです。

W(ワット)は「速さ」

ワットは電力や仕事率の単位です。

1 W = 1 J/s

つまり1 Wは、1秒あたり1 Jのエネルギーを使う、渡す、または変換する速さです。

1000 Wのヒーターは、100 Wの機器より同じ時間内に多くのエネルギーを変換します。ただし、Wだけでは合計使用量は分かりません。何時間動かしたかが必要です。

J(ジュール)は「量」

ジュールはエネルギーや仕事のSI単位です。

力の単位N(ニュートン)を使うと、次のように書けます。

1 J = 1 N·m

1 Nの力で、力の向きへ物体を1 m動かしたときの仕事が1 Jです。電気、運動、熱など、形が違ってもエネルギー量はJで比べられます。

Wh(ワット時)も「量」

Whは、Wに時間hを掛けたエネルギー量です。

エネルギー = 電力 × 時間
Wh = W × h

1時間は3600秒なので、WをJ/sへ戻すと関係が見えます。

1 Wh
= 1 W × 1 h
= 1 J/s × 3600 s
= 3600 J

したがって、よく使う換算は次の通りです。

単位ジュール換算
1 Wh3600 J
1 kWh3,600,000 J
1 kWh3.6 MJ

NISTのSI換算表でも、1 Whは3.6×10³ J、1 kWhは3.6×10⁶ Jと示されています。

家電で考えると簡単

1000 Wを1時間

1000 W × 1 h = 1000 Wh = 1 kWh

100 Wを10時間

100 W × 10 h = 1000 Wh = 1 kWh

電力は10倍違いますが、使用時間を掛けたエネルギー量は同じです。

電池のWhは「どれくらい持つか」の目安

たとえば容量500 Whの電源から、損失を無視して100 Wを取り出し続けるなら、単純計算は次のようになります。

500 Wh ÷ 100 W = 5 h

実際には変換損失、待機電力、温度、出力制限などがあるため、必ず5時間使えるという保証ではありません。それでも、Wh÷Wが大まかな時間になる関係は便利です。

WhとW/hは別物

記号の位置で意味が変わります。

  • Wh:W×h。エネルギー量
  • W/h:W÷h。1時間あたりの電力変化

電池容量や電気料金で見るのは通常WhやkWhです。W/hではありません。

大文字と小文字にも意味がある

単位記号は大文字・小文字を区別します。

  • W:watt
  • J:joule
  • h:hour
  • k:kilo、1000倍
  • kWh:kilowatt-hour

KWKWHではなく、通常はkWkWhと書きます。

まとめ

J  = エネルギー量
W  = J/s = エネルギーを使う速さ
Wh = W×h = エネルギー量
1 Wh  = 3600 J
1 kWh = 3.6 MJ

この関係をkg・m・sまで分解すると、JやWが基本単位からどう作られるかも見えてきます。続きはSI単位相関図鑑で整理しています。

参考にした公的資料