コンセント、充電器、電池、理科の回路図には、V・A・W・Ωが出てきます。似た記号ですが、測っているものは別です。

3行結論

V(ボルト)  = 電気を動かそうとする電圧
A(アンペア)= 実際に流れる電流
W(ワット)  = 電気エネルギーを渡す速さ(電力)
Ω(オーム)  = 電流の流れにくさ(抵抗)

最初に記号を一覧で確認したいときは、物理の単位・記号ミニ用語集へ戻れます。

身近なたとえ:水道ならどう見える?

電気を水道にたとえると、関係をつかみやすくなります。

  • Vは、水を押し出そうとする水圧のようなもの
  • Aは、1秒間に流れる水の量のようなもの
  • Ωは、細い管や詰まりのような流れにくさ
  • Wは、水が流れて水車に仕事をさせる勢い、つまりエネルギーを渡す速さのようなもの

ただし、これは入口のたとえです。電流は水そのものではなく、電荷の流れです。たとえだけで細かな回路の動きを決めず、次の表と式で確かめます。

V・A・W・Ωの早見表

記号単位名何を表す?水道のたとえ
Vボルト(volt)電圧。電荷を動かすための量水圧
Aアンペア(ampere)電流。電荷の流れる割合流量
Wワット(watt)電力。エネルギーを渡す速さ水車を回す仕事率
Ωオーム(ohm)電気抵抗。流れにくさ管の細さ・詰まり

SIではAは基本単位で、V・W・Ωはほかの単位から作られる派生単位です。大文字・小文字にも意味があり、VAを小文字にはしません。

最小限の式:オームの法則と電力

電圧をV、電流をI、抵抗をR、電力をPと書くと、基本となる関係は次の2本です。

V = I × R      (オームの法則)
P = V × I      (電力:直流、または抵抗だけの交流)

単位だけ見ると、こうつながります。

1 Ω = 1 V / 1 A
1 W = 1 V × 1 A

同じ式は、知りたい量に合わせて並べ替えられます。

I = V / R
R = V / I
P = V² / R = I² × R

P = V × Iは直流でそのまま使えます。家庭用交流のようにコイルやモーターがある回路では、実際に消費する電力は力率も関係するため、単純な積と一致しない場合があります。

換算例1:9 Vで0.5 A流れると何W?

P = V × I
  = 9 V × 0.5 A
  = 4.5 W

この条件では、電力は4.5 Wです。9 Vという数字だけでは決まりません。0.5 Aが流れる、という情報も必要です。

換算例2:12 Vで2 A流れる抵抗は何Ω?

R = V / I
  = 12 V / 2 A
  = 6 Ω

この抵抗での電力は、もう一度P = V × Iを使って24 Wと求められます。

P = 12 V × 2 A = 24 W

誤解しやすい点

「Vが大きいほど、いつでもWも大きい」は誤り

電力はVとAの両方で決まります。高い電圧でも、流れる電流が小さければ電力は小さくなります。

「Ωが大きいほど、必ず電力を多く使う」は誤り

電圧を一定にした抵抗ではP = V²/Rなので、抵抗が大きいほど電力は小さくなります。一方、電流を一定にした場合はP = I²Rです。何を一定にした比較かを先に決めます。

電池の「V」だけでは、どれだけ長く使えるかは分からない

電池の持ち時間には、容量(AhやWh)、取り出す電流、変換損失、温度なども関係します。電圧は一つの重要な情報ですが、容量そのものではありません。電力とエネルギー量の違いはW・J・Whの違いで確認できます。

オームの法則は、抵抗値が一定とみなせるときのモデル

抵抗器のような部品では便利ですが、温度で性質が大きく変わる部品や、ダイオードのように電圧と電流の関係が直線にならない部品では、一定のRだけで表せません。

FAQ

VとAのどちらが危険さを表しますか?

一つだけでは決まりません。人体への危険は、電圧・電流・接触時間・電流の通り道・交流か直流か・周囲の条件などに左右されます。感電のおそれがある配線や機器は、式の練習として触らず、電源を切る・専門家へ相談するなど安全を優先してください。

mAはAの何分の1ですか?

mはmilli(ミリ)で1000分の1です。したがって、1 mA = 0.001 A1000 mA = 1 Aです。

充電器に書かれた「5 V 2 A」は何Wですか?

直流出力として最大値を示す表示なら、5 V × 2 A = 10 Wです。ただし実際の出力は機器どうしの取り決めや充電状態で変わるため、常に10 Wを使う意味ではありません。

次に読むなら

参考にした公的資料